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ワンダーFULL TOKACHI file.6 奇石の館

 tiltshift

ワンダーFULL TOKACHI file.6 奇石の館

 

 自然が作りだす珍しい造形美に魅せられて30余年。北海道内外より集めてきた自然石・木の根・木のコブなどを70㎡の作業小屋を手作り改造し、陳列台を設けて600個余りを展示公開しております。
 年寄りの精いっぱいの戯言でありますが、好きな方に楽しんでもらえればと楽しみにしております。

よろづ展示小屋主

 大看板

入口 大樹町尾田の天野さんが自宅の庭に開設している「よろづ展示の小屋」
 この“よろづ”として展示されている物は、珍しい形の「石」約600点のほか、自在に変形した木の根など。
 天野さんは1970年頃から、趣味で大樹周辺の山林で銘石を採取し、1997年に自宅車庫を改造して、「よろづ展示小屋」をオープン。奥行きの長い展示室内の両側には所狭しと銘石が並べられています。
 展示品の多くは、「豊似石」と呼ばれる石で、これが天然の石とは思えない大変珍妙な形をしている。

 「豊似石」の産出地は、大樹町から広尾町にかけての山林(豊似地区)で、そこからしか産出しないという。
「奇石」と呼ばれるほどですから、かなり特徴がある。一見石膏か紙粘土で造った前衛彫刻…そう表現するのが的確だと思います。その形状には自然なりの法則性がありそうでなさそう…。それぞれの個体が別の種類であるかのように自由な形をしています。
 それに、見た目によらずこれが重い! 火山灰などが凝結してできた砂岩のように軽いものかと感じましたが、スが入っているものの岩石同然の重さ。しかも細部に至りカッチカチやで!(=´ω`)ノ

この風や水の流れに削られてできたような筋状の模様は、どうしてできたのだろう…

 これと似た造形で天然の鉱物というと…私が知る限りで例えるなら「砂漠のバラ」(?)。

 

砂漠のバラ 

砂漠のバラDesert Rose 石膏・重晶石 硬度:2~3.5

産地:メキシコ

特徴:砂漠のオアシスには風化した岩石からミネラルが溶けている。水が蒸発すると成分が濃くなり、石膏(硝酸カルシウム)や重晶石(硝酸バリウム)などの小さな板状の結晶ができ、球状の形を作って成長していく。「球晶」とも呼ばれる。

豊似石と形の形成具合は似ていると思いますが、専門家ではないので…

※「砂漠のバラ」は足寄町の『足寄動物化石博物館』のミニ化石発掘体験でラッキーだとGETできます。1個200円で柔石に埋め込まれた化石やクリスタルを道具を使って化石クリーニング風に掘り出していく何が出るかのドキドキ体験。市販の発掘キットよりお手頃なので「大人買い発掘」している方も見かけました(。・ω・)

 小屋の中

小屋内H『よろづ展示小屋』には、この豊似石を目当てに来場する愛好家も多い。
「豊似石」にはどれくらいの価値があるのだろうとネットで調べてみると、手のひらに乗るような小ぶりで台座付きのものが数万円!趣味の価値観ってすごいなぁ…(/;°ロ°)/
 お菓子のオマケのシールが激レアで、たった1枚に数万円でオークション落札している様子を見たことがありますが、マニアの世界はホント驚く事が多い。
「よろづ展示小屋」にある豊似石は、唯一無二であっても数百点を誇るコレクション。

「なぜにそれほどの価値が付けられるか」というと…

◎産出地がきわめて限られている。
◎見える所は全て掘り尽くされ、新たな産出は、きわめて稀である。

自然の摂理もピンポイントで働くものなんですね(。・ω・)

 天野さん自ら採取したころは、背負うこともできないほどの大きなものもあったそうですが、現在は立木の根本をほじくってたまに見つかる程度だそうです。北海道外から来た熱烈な愛好家を産地へ案内することも度々あったと話していました。

小屋内A「ボクは石のことは詳しくないんだけどね…」  「ボク」って名乗るお年寄りはなんだかステキだ(=´ω`)

 世の中には、いろいろなものを集めるコレクターがいます。
 古くからは切手や硬貨。一般の人はすぐに捨ててしまうような駅弁の掛紙をコレクションしたり、全国のコーヒー缶(缶だけ)をストックしたりとさまざま。
 私は、学生の頃まで映画の宣伝チラシをファイルブック5冊分くらいまで集めていたことがありました。

A4版サイズのカラー印刷でペラペラの1枚紙。それに数万円の価値を付ける方もいるんですよ(/;°ロ°)/

 当然、石にも愛好家や愛好会の存在がある。
 愛石家の主旨はどのようなものだろうと少し調べてみると「愛石会」「観賞石」という言葉が見つかりました。

豊似石04 

 

観賞石とは

豊似石05 石を観賞対象にすることの始まりは、記録に残るものとしては平安時代にまで遡るという。
 更に古い時代などの信仰対象としての石(巨石)などは別として「石を愛でる」趣味は奥が深そうです。
 観賞としての始まりは盆石・盆山(黒い盆の上に山々に見立てた自然石を配し、白砂をまき、羽根や小さなホウキで流れや波を描くことで、海や川を表現する。自然がおりなす様々な表情を盆上に描くもの)と呼ばれ、足利義政や高僧など最上層階級の人たちに好まれていました。江戸時代には多くの大名や文人墨客に持て囃されました。
 この嗜みは、やがて庶民の間にも浸透するようになります。
 ひとつの自然石から「ワビ・サビ」の境地に浸ろうという愛石の趣味は、明治初期から「水石」と呼ばれるようになりましたが、趣味の多方向化により自然の石はもちろん、磨いた石、鉱物・化石もその対象となり、これらを一括して「観賞石」と呼んでいます。

(そういえば、おじいちゃんの家の床の間にも十勝石を磨いたような玉を飾ってあったなぁ…)

 小屋内D

 国内には愛石家の団体が460ほどあるそうです。同好の展示会、あるいは地域の文化展など定期的に観賞石を見る機会が催されています。
 本来、『観賞する石』は、自分の好みであれば、どのような石でも構わないのですが、愛好家らの間では基本的な典型として分類がなされています。

小屋内G 

 

◆観賞石の分類

◎水 石(すいせき)
 小分類  山形・島型・岩礁型・洞窟・洞門・雨宿り・段石
 自然の石で、山水の景情、自然界の風情のある石で、主に水盤に用いる。

◎形象石
 自然の石で森羅万象の形態を表現する石

豊似石02◎抽象石
 自然の石で、特に何かの形を表しているわけではなく、幻想的な形態により独特の雰囲気を醸し出す石。 

◎奇石・珍石
 天然の石でありながら、不可思議な形態・態様・性質をもった石。

◎紋様石
 石の表面面に花・文字・人物・風景等、何らかの絵柄、あるいは模様(のようなもの)がある石。

◎美石・色彩石
 見た目が美しい石。色彩が華やかなで雰囲気のある石。

◎化 石
 木・貝・恐竜などの化石。日本国内算出では木や貝の化石が一般的。

小屋内E 

 

愛石の楽しみ方

1、探石(たんせき)の楽しみ

豊似石01 観賞石の収集は、素材となる石を集めることから始まり。専門店で購入するほか、自分で原産地の山や川・海岸に探しに出かける事もあります。
 愛好者間の売買のほかに愛好者を主な対象とする業者もあり、そこから流通する商品は割高であるため自分で探石することも多い。

 

 

2、作台(さくだい)の楽しみ

豊似石06 観賞する石を安定させるために木で台を作ります。(出来上がったものを台座と言う)
 石の姿勢も吟味して、観賞するための板に彫り込みをします。石がいかに姿勢よく板に収まるかに趣向が凝らされる。

 

 

 

3、観賞する楽しみ 

小屋内C 石の観賞には、石の態様によって台座で眺めるほか、水盤に細かい砂を敷き、そこに石を据える方法もあります。(盆石・盆山) 水盤に据えた石の場合は、眺めるときに霧吹きをすると石の真の味わいがです。
 愛石家の世界にも月刊で「愛石の友」という専門情報誌があり、全国の愛石家に購読されているそうです。
 誌面には読者投稿のページも設けられており、情報交換の場にも役立っており、石の産地の様子や愛石家の活動の参考になるという。
 熱烈な愛石家は、遠方の産地に近い愛石家と電話・文通で交流しているといいます。
 現代のネット社会では「メル友」という言葉がありますが、愛石家の間では、それを石友(せきゆう)と呼ぶそうです。(実際愛石会のHP掲示板などに「石友」という言葉が出てきます)

 「愛石」というと「お年寄りの趣味」という先入観を持ってしまいますが、愛石家の活動諸々を伺っていくと、老若男女問わず趣味の仲間の活動は大差ないようですね。 「観賞」とは主旨の違いがあるにしても「パワーストーン」も「石を愛でる」という意味で“愛石”のひとつなのかもしれません。

 収集を嗜む方達の方法もそれぞれ特徴があるもので、「収集」の対象を分類・研究して学問的に追及する方や、とにかく収集する方、対象の収集よりも“知識”の収集が主な方、収集物の価値の追求(投資)が主たる方などなど…

 天野さんは、冒頭にもあるように「自然の造形(の不思議さ)」に魅せられた方です。
 「次はどんな表情の石と出会えるだろう…」 その純粋な思いが山深い産地へと足を向けさせたのでしょう。その出会いは「展示小屋」の開設により、人との出会いの楽しみに変わりました。

パワーストーンは、生きている石(パワーが秘められているから)と説明されます。
持つ人の運気、扱い。または持つ人に降りかかる災いによっては力が弱まったり、場合によっては石が死んでしまうということもあるのだそうです。

 鉱物的価値は、たぶん無いに等しい「豊似石」。しかし、それは天野さんにとって、まぎれもなく生きているパワーストーンそのものなのです。

「ところがさ…この小屋を始めてから、ウチの車は年中野ざらしなのさ」

…あらら(´・ω・`) 

 小屋内B

 

照明スイッチの場所「よろづ展示小屋」は、道道清水大樹線沿いにあり、大樹町市街地から約8㎞。冬期間も無料で開放しています。
「小屋」は現在二代目。冬の雪の重みで危うくなってきたため、初代をそのまま覆うように二重構造で造られました。
入口付近にその片鱗が伺えます。

天野さんのお宅では、休耕畑を使った広大なシャクナゲ園も楽しむこともできます。
小屋の観覧は、中に入って左手側にある照明のスイッチを自分で入れるようになっています。(帰りに消し忘れないように)
広尾郡大樹町尾田206番地(カムイコタンキャンプ場入口) 

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