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ワンダーFULL TOKACHI File.21  水を讃える神殿

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水の神殿 (音更町)

 

音更町の郊外に「水の神殿」というところがあると聞いた。

その名を聞いた時に思い浮かんだのはセレモニーホール。トマムにそういうところがあったかもしれない。(あちらは「氷の神殿」w)

噴水が音楽に合わせて飛び交い、花々が咲き乱れる庭園的なもの。いつか、どこかのシアターで観たことのある映像作家、ケネス・アンガーの「人造の泉」という短編実験映画のイメージが脳裏に断片的に浮かんだ。

 

ところが、ネットで「水の神殿」を検索してみると「ゼルダの冒険」や「モンスターストライク」などゲームのステージがトップに出てくる。

まさかゲーム関係のお店…?

ゲーム情報では…「Wonder full TOKACHI」のネタにはなりません。

 

半信半疑ながら検索情報に「音更町」を追加。

すると、一見無骨で威圧感のある半分土に埋もれたドーム状の画像が出てきた。

この形…例えるなら「トーチカ」のようです。威圧感を感じるのはそんなイメージを彷彿とさせるからかもしれません。

 

300年の時を越えてきた水

izumi春の深まった十勝。

遠くに望む日高山脈は、いまだ白い雪を被っている。

この北海道の冬の山々を覆う雪は『自然のダム』に例えられることがあり、融雪水として河川を流れてmこの広大な大地を潤している。

川の水は目に見えるものだけではなく、伏流水(河川の流水 が河床の地質や土質に応じて河床の下へ浸透し、 上下を不透水層に挟まれた透水層が河川と交わるとき透水層内に生じる流水)も伴い大きな流れを作っている。

川筋をたどる水だけではなく、地下深くに浸透し、地下水として溜め込まれるものを入れると私たちの足元には実に大きな水がめがあるとも言えるでしょう。

それらは大地のいたるところで湧水として見かけることもある。

養魚場や農家の庭先で懇々と湧き出して利用されていることも多いらしい。

これらの水は大雪の山に積もった雪が地下に浸透し、長い時間をかけて濾過(ろか)されて、天然水が評判の現在、あちこちでご当地天然水として商品化されているものも多いようです。帯広でも「帯広の天然水」という名前で発売されてものがありますね。

これらの地下水が私たちの近くまで来るのに実に300年の年月をたどっているのだという。

無味無臭のはずの水ですが、飲んでみるとたしかに美味しい!

南極の氷に太古の空気が閉じ込められているというお話と同じようにコップ1杯の水にさえもロマンを感じます。

 

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 水の神殿

ミネラルウォーター製造・販売の深層地下水研究所(音更町)が所有する敷地内に帯広市内に支店を持つ鎌田商事(香川県)が1,200万かけて設けたのが、この水をテーマとしたモニュメント。

※鎌田商事は寛政元年(1789)創業の老舗醤油醸造会社で平成10年(1998)に帯広工場を竣工し、十勝との付き合いも深い会社です。人形師である四谷シモンの作品を公開する『四谷シモン人形館 淡翁荘(香川県)』も、この鎌田商事の経営。

設計に携わった建築家で早稲田大学教授の石山修武氏は語る。

『水の神殿』は北海道・アイヌの聖地に建てられた社であり、庭園である。

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神殿は300年の時を経て大雪山系から十勝の大地へ至る水と、それにより培われた大自然を象徴する。

深さ250メートルの地下から湧き出す水は、豊かな大地を照らす光の下で命あるもののように躍りながら神殿のドームへ向かい中心に埋められた水琴窟(すいきんくつ)へと注ぎ込んでいく。
その音が水琴窟の中で響き、長い時を越えて光を得た水はドーム内を自在に飛び回るように音が増幅する。
水の自噴点にあるモニュメントはヤナギの木で作られたもので、アイヌ民族と日本人の想いを融合させた物だという。(祭壇と鳥居のイメージ)

※水琴窟とは日本庭園の装飾の一つで、手水鉢の近くの地中に作りだした空洞の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音を反響させる仕掛けで、手水鉢の排水を処理する機能をもつ。水琴窟という名称の由来は不明である。帯広児童会館の1階ロビーに現物が展示されており、その音(録音)を聞くことができる。

ドーム内壁には弧を描くように筵(ムシロ)が埋め込まれている。
設計に携わった建築家で早稲田大学教授の石山修武氏は、このドームに戦時下、戦闘機などを空爆から隠す(或いは退避させるため)目的で建造された掩体壕(えんたいごう)をイメージしたのだという。

2009年7月に建造されたこの神秘的な神殿は、2013年に『とかちアーティスト・イン レジデンス』のプレイベント“水のアートワーク2013”において浦幌町・士幌町とともにこの音更町の水の神殿が体感型アートワークの舞台となる。
水と大地のパワー、そして時間の移ろいをテーマにした空間芸術(インスタレーション)により神殿は、より神秘に包まれていた様子です。(そのときに行きたかった…)

 

春のイメージは芽吹く新緑。そして小さな雪融け水から始まるせせらぎの音。

水琴窟の他にも水の音、日本庭園の『ししおどし』や水車のように水を利用した音は心を和ませるものだ。

せせらぎや滝の音、ネイチャーサウンドを録音したCDがあるほどです。

街中にいても、信号待ちの間に春の雪解け水が雨水溝に吸い込まれる音に心を奪われることがある。

この『水の神殿』は、陽射しの降り注ぎ風のそよぐ社(自然・大地、いわゆる聖地)より生じた清らかな水が大地を縫って人の住む世界(ドーム、あるいはシェルター)へ至り、再び大地へ帰っていく様を描く。

無機質なコンクリート製のシェルターもまた、大地の延長に他ならず水により生じた自然と一帯となっていく。

「静」であり「動」  そして、「洋」でも「和」でもない単純でありながら奥深く根源的で、まさに北海道の大地らしい神殿ではなかろうか。

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ここにおいて人の世界の時の流れは無縁にすら思えてくるのです。

こんな世界を体現するのも旅の楽しみ。

「旅」の道筋は、遠い地ばかりではなく、すぐ近くにすら普通にあるもの。

また次の旅でお会いしましょう。

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『水の神殿』(深層地下水研究所敷地内・大雪山系深層地下水250m開鑿之地)

大平原の中にあり場所が見つかりにくいため、地図のナビゲーションを利用することをお勧めします。
現地までの案内板が設けられておらず、神殿も周囲の土盛りで幹線道からは死角になり確認しにくいので…
(私は2回目でたどり着きましたw)

 


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