めむろ国語専門塾
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小さな国語塾のつぶやき
菊
秋の花と言えば「菊」。帯広でも昨日まで「菊まつり」が開催されており、美しい菊の数々はもちろんのこと様々な地方の特産物あり、くじびきあり・・・と多彩な催しであった。昨日の午前中に「菊まつり」に行き、目の保養をさせてもらった。休日返上でがんばってらっしゃった東洋印刷のKさん、お疲れ様です。さて、菊を題材とした短歌を紹介しよう。「 心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花(凡河内躬恒)」(訳■もし手折(たお)るならば、あてずっぽうに折ってみようか。真っ白な初霜が降りて見分けがつかなくなっているのだから、白菊の花と。)朝の凛とした寒気、そして白菊の可憐な白さと誰も手を触れていない初霜の清楚な白さが合わされて、非常に高潔な美が描写されている一首。庭に咲いている菊を見て詠んだ一首だと思われるが、昨日の「菊まつり」の会場の素晴らしい作品を目の当たりにすると、正直言って「あてずっぽうに折ろう」という気はまったく起こらず、見事な形をいつまでも見ていたい気分にさせられる。
2014/11/04 12:23
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