

マンガリッツァ豚は、東欧ハンガリーを原産国とする豚です。1850年頃には、上質なラードを手に入れる為、ハンガリー全土で生産されるようになります。1990年代、飼育が容易で経済的な三元豚の台頭により数を激減。その後、国を挙げての保護策により絶滅を免れた歴史を持ちます。ハンガリー政府が2004年に国宝認定したことで、“世界で唯一の「食べられる国宝」”となり、広く知られることとなりました。
【生態の特徴】
全身が長い体毛で覆われ脂肪が厚く、マイナス20℃以下の極寒でも過ごすことが出来る品種です。一般的な三元豚の平均産子数が10頭前後であるのに対し、マンガリッツァ豚は平均約6.5頭。これまでほとんど品種改良をされていない為、原種(イノシシ)に近く、ゆっくりと成長し、出荷できる体重になるまでに1年以上の肥育期間を要します。伝統的に放牧の環境下で飼育されます。
「大地と命に、惜しみない愛情と敬意を込めて」 2016年7月、25頭(雄9頭、雌16頭)の純血マンガリッツァ豚が、オランダを経由し、北海道十勝にやってきました。これが、アジアで初めてのマンガリッツァ豚の生体輸入の成功例となりました。多大な協力を頂いた、オランダRoyalMangalitsa協会のバーバラ氏から、飼育の技術と志を引継ぎ飼育を始め、幕別町の牧場にて繁殖・飼育に成功し「十勝ロイヤルマンガリッツァ」は生まれました。
【純血4系統】 純血統のマンガリッツァ豚には、4つの系統が存在します。ブロンド、レッド、スワローベリー系統は、世界各所で飼育されます。一度絶滅されたとされるブラック系統は、現在復活を遂げ、ハンガリー国内でのみ飼育されています。
【純血統の維持】
十勝のマンガリッツァファームでは、ブラック以外の純血3系統のマンガリッツァ豚を飼育しています。
2022年11月からは、純血統マンガリッツァ豚の維持管理を目的とした登録機関「MBOAR」に登録し、アジアで唯一の“純血”マンガリッツァ牧場として、安心・安全なお肉の生産に日々励んでおります。また、繁殖ノウハウの確立や肉質の特徴解明を目指して、地元帯広市の帯広畜産大学と共同研究を実施しています。
2012
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同豚の伝統的な飼育方法である「自然放牧」を徹底追求。北海道産を中心とした大豆や小麦を食べて育ちます。一年を通じて「自然放牧」にこだわることによって、ストレスの緩和や運動不足を解消するとともに、豚が自分たちの意思を表現することで個性や免疫力・抵抗力を生かした飼育を実現します。ほかにも「自然放牧」は、四方を壁で覆われた一般的な豚舎と比べて呼吸器系の病気が蔓延しにくいと言われています。
同豚は繁殖から生産、販売までのすべてを株式会社丸勝が自社で行っています。飼育管理体制を整え、防疫対策に細心の注意を払うなど、徹底した品質管理を行うことで、安心・安全な食肉を提供しています。
また、肉質の決め手となる飲み水は、十勝の雄大な自然がもたらす地下水を汲み上げて使用しています。
発色が良く濃厚な赤身、白さが際立つ脂身が特長。筋間脂肪が程よく入り、香りも良く、マンガリッツァ豚の特徴を最大に持ち合わせた部位。本場ハンガリーでも一番高価な部位として取引されています。
濃厚な赤身を持つヒレ肉は豚1頭から800g程度しか取れない希少部位。優しく火入れをして、しっとりと柔らかで、鼻に抜ける香ばしさと赤身の旨味をお楽しみいただけます。
脂身と赤身がはっきりと分かれ、それぞれの味の特長が分かりやすい部位。ジューシーで柔らかな赤身と、クセがなくクリーミーな脂身をお楽しみいただけます。背脂はラードとしても使用されています。
赤身と脂身が層を織り成す部位。十勝ロイヤルマンガリッツァ豚の最大の特徴でもある濃厚な脂身のとろけるような口溶けを存分に味わうことができます。
長期肥育が作り出す濃い赤身は、煮込み料理やミンチにしても存在感を失わず、ハムやソーセージの原料として使用されています。
代表の梶原一生さん
十勝ロイヤルマンガリッツァ豚は、2016年から幕別町で生産を開始しました。現在では、東京を中心に少しずつ知名度が上がってきてはおりますが、地元とかちでの認知はまだまだこれからです。手前味噌ではございますが、この美味しいお肉をとかちの皆さんにも召し上がって頂きたいという一心で、北の屋台での企画がスタートしました。是非、この機会に十勝が誇るロイヤルマンガリッツァ豚の魅力を味わって頂けますと幸いです。
株式会社丸勝
十勝ロイヤルマンガリッツァファーム
梶原 一生