PEONY ~若石足療~
「もむ」という仕事 世界の大人も子どもも
スイスが源の足裏の絵 台湾の一族が世界に広める
朝日新聞GLOBE http://globe.asahi.com/feature/090803/03_2.html
世界地図のように色分けされた、足の裏。「リフレクソロジー(反射法)」、いわゆる足つぼマッサージの店がある印だ。足裏のツボを押して内臓を刺激するとうたう。中でも有名なのが「台湾式」だ。
カラフルな足の図柄は、日本や台湾だけでなく、香港、カナダ、オーストリア……と、世界各地で見ることができる。
この絵を世界に広めようとしている台湾出身の一族がいる。その中心人物、陳茂松(59)に会った。
「8月はマレーシアとブルネイ、9月はシンガポール、10月はヨーロッパ。忙しいね」。スーツにバッジが光る。隣に座った妻は広報担当だという。
茂松の肩書は長い。「国際若石健康研究会執行会長」。「若石」とは、足つぼが広がるきっかけを作ったスイス人神父、ジョセフ・オイグスター(68)の中国名(呉若石)だ。
今から40年以上前、茂松の姉と妹は、医学を学びにオーストリアに留学。神父と出会った。神父はその縁で、布教のため台湾を訪れた。
リウマチを患っていた神父はある時、スイス人看護師が書いた足つぼの本を試してみたら、めきめきと治り、同じ方法がほかの人にも効いた。評判を聞いて教会に来る人が後を絶たず、神父は80年ごろには一躍有名人になったという。
ところが、医療行為だとして、摘発されそうになった。神父は一時、台湾を離れる。茂松と兄が医学専門家らの協力を得て後を引き継ぎ、82年、「研究会」を設立したという。
現在、研究会の支部は世界20カ所にあり、約50カ国の人たちがセミナーを受けているという。オーストリアにいる陳姉妹も、ヨーロッパ18カ国で普及活動をしている。
研究会では名誉会長に名を残していた神父は、2年後に台東に戻り、独自に別の会を立ち上げた。
茂松によれば「二つの会は、今はもみ方も考え方も違う」という。もっとも、「源流は一緒。年に1度、大きな総会は神父と共にやっている」。そう付け足して、呉神父と一緒に写っている写真を指さした。
2015/10/01 14:37
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